恐るべき自動販売機　その１

　1990年。私は茨城大学工学部の４年生であった。そして江尻下宿に居を構えていた。この物語はこの江尻下宿での出来事である。

　「おばさん。（と言ってももうおばあさん）今日は大型ごみだねぇ。今行って来たらすごい量のごみが出てたよ。それでさぁ、この入り口においてあるずっと使ってない自動販売機も捨てたらどうかなぁと思って。」
　「いやぁ、これ。誰かがずっと前に置いていったきりなんだよねぇ。」
　「じゃぁ、捨てよう。下宿のメンバー呼んでくるね」
　こうして私は下宿の後輩達を呼びに言った。そうするとＫ君の部屋に、同じ下宿のＮ君、Ｗ君、そしてよく来るＴ君がいつものことながらたむろしていた。
　「おぅい。おばさんのところの入り口にある自販機捨てに行くし手伝ってくれるかい？」

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